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二輪ジョイント・ワーキング・グループ 二輪関係企業・組織の意見聴取 2006年11月
1.背景
二輪ジョイント・ワーキング・グループは政府関係者、生産者および専門家からなるグループで、現在、新たな方法と内容にもとづき、二輪車マスタープランを作成中である。この執筆作業は、工業省の公式承認および日越共同イニシャティブ第2フェーズの要請に基づいて行われている。ベトナム開発フォーラム(VDF)はその活動の支援と調整を担当している。
2006年11月、工業省工業政策戦略研究所(IPSI)およびVDFを中心とする二輪ジョイント・ワーキング・グループは、ベトナム北部・南部において一連のヒアリングを実施し、マスタープラン骨子案の説明と質問・意見の聴取を行った。さらにホーチミン市においてセミナーを行い、企業・政府関係者・研究者・マスコミと意見交換した。これは関係者からの第一次ヒアリングであり、作業の進展に応じて、二輪ジョイント・ワーキング・グループはさらに関係者からの意見聴取を行う予定である。
この要約はVDFがとりまとめた。内容に関するすべての責任はVDFが負うものである。
2.ヒアリングとセミナー
ヒアリングへの招待状は、工業省およびVDFがもつ情報に基づき、すべての二輪関連企業に送付された。さらに政府関係者、研究機関、大学、マスコミも招待された。以下は、我々の招待に応じ、ヒアリングないしセミナーに出席した組織である。
3.聴取意見の要約
上記3ヒアリングで聴取された意見を以下にまとめる。すべての意見は匿名で記す。意見はトピックごとに並び替えられており、ゆえに同一問題に関する意見は、たとえ別の場所で聴取されたものでも一緒に並べた。ジョイント・ワーキング・グループの返答はかぎカッコ[ ]で表している。これらの返答は、VDFあるいは工業政策戦略研究所からのものである。
(1)裾野育成の具体策
○これまでの政府の研究では、裾野育成のための具体的政策が何もない。ネジからはじめて、具体的な部品ごとに具体的な目標と政策を打ち出すべき。どの部品が国内調達できていないか、できない理由、どうすればできるかなどを詳しく調べるべき。[その通りである。第4章、第9章で具体的な政策を打ち出したい。METI裾野専門家派遣も2件予定されている]
○外国専門家の派遣もよいが、まずベトナム政府自身が簡単な質問表やセミナーを駆使して調べるべきであろう。[政府自身も忙しいので、まず民間が自身や業界団体を通じて努力すべき、工業省に具体策を提案してほしい。現時点では外国人の派遣も有益、ただし将来はベトナム主導の政策策定をめざすべき]
○日系四輪メーカーが我々の製品購入を検討した。しかし、品質・価格に問題はないが、最終的には日本の関連会社から購入するといわれた。日系に売り込むには系列の壁があるのではないか。[需要サイズ・発展状況などの点で四輪と二輪は状況が違う可能性がある。ベトナムの日系二輪メーカーは皆、QCDを満たす会社からは国籍にかかわらず調達を検討するといっている]
○外資系企業の品質要求は高く、インテグラルなので部品はモデルごとに違い数量が出ない。このような状況では、中小企業・裾野産業に対する政府の技術・金融などの支援が必要である。
○わが社(ベトナムローカル)は外資系への納入、輸出などで設備・工場を積極的に拡大している。安物でなく国際水準の価格・品質をめざしたい。だが銀行が裾野産業について何もわかっていないので苦労している。外国パートナーを通じて外国銀行から借りるほうがまだ楽である。
(2)関税と対外自由化について
○いったいベトナム政府は、二輪車産業を世界レベルにするために必要な目標・政策・基準を打ち出すつもりなのか、それともWTOやFTAにしたがって経済開放しあとは市場に任せるのか、その方向性が見えない。単なる自由放任では、ベトナムに競争力のある二輪車産業は育つとは思われない。この基本的な点について、政府が何を考えているのかを知りたい。
○WTOの二輪産業へのインパクトを詳しく調査検討する必要がある。
○WTO等の自由化で、インドネシア等のバイク大国から完成車や輸入部品がやってきて国内メーカーが淘汰される可能性はないのか、危惧している。[詳しく検討する必要あり。ただし政策は平等な競争条件を作るものだから、個々の企業を競争から守ることはできない]
○WTO下では、政策支援がなければ我々サプライヤはどうやって生き残っていけるのかわからない。難しい状況に立たされている。
○我々部品メーカーも部品を買っており、その国内調達は品質問題があり難しい。ゆえに輸入に頼っている。部品輸入完全はぜひゼロにしてほしい。[その意見に同意する。ただし裾野育成に関税をかけるのがいいのか、無関税がいいのかについてはこれまでも議論があったところである]
○国内で生産できない高級素材・高級部品に、国内で生産できる同様の普及品と同じ関税がかけられているケースがあり、困っている。なにが高級素材で何が普及品かの区別は、税関でなく企業にきめさせてほしい。[脱税問題があるので企業の一方的申告では難しいと思うが、何が特殊素材かについて民間の意見を当局が常に聞く窓口を持ち、詳細リストにより明文化する必要があるのではないかと思われる]
(3)輸出可能性
○国内向け・輸出がどのような比率であるべきか、よく研究する必要がある。私は国内市場中心であるべきだと考える。輸出志向は非現実的である。
○私は二輪ビジネスを15年やっており、つい最近も南米を視察してきた。ベトナムは自国状況をもっと正確・冷静に把握すべきである。今の実力では輸出などとても無理である。
(4)すりあわせ型製造業
○5年前は中国車流入の大混乱があったが、ベトナムはそれを克服した。もう中国ショックはいらない。さまざまな品質・安全・環境等の基準を設定・実施すべきであり、とくに知財が厳格に守られれば生き残れるのはトップ4社くらいではないか。[すりあわせ型をめざすとは、品質・安全・環境を満たす高品質志向ということを別の言葉でいったものと考えていただいていい]
○中国車の侵入はタイではほとんどなかったが、これをどう考えるか。[日本車が席巻しているところは進入は少なく、また国によって違う。ラオス・カンボジア・バングラデシュ・パキスタン等では中国車がポピュラーだが、タイ・インド・インドネシアなどでは見かけない。ベトナムはいったん受け入れてすぐに拒否した。これはユーザー層が広く高品質志向ということもあるのではないか]
○すりあわせ型(integral)と組み合わせ型(modular)の区別は説得的である。安定した高品質を確保するには前者が必要である。
○すりあわせ型バイクが高級車市場、組み合わせ型バイクが低級車市場、という形ですみわけをして共存する可能性はないだろうか。
(5)ローカルブランド車
○ベトナムブランドのバイク育成が必要かどうか、大いに疑問である。[スライドでは1オプションとして示したが、「?」をつけたのはM/Pでは採用しない方針という意味である。工業省内でもいろいろ意見が分かれている]
○一定品質を確保し、合理的な価格を提供するローカルブランド二輪はつくれると思う。そのためには、自転車二輪協会が企業間連携を支援し、政府が各種バイクの需要予測をすべきである。[将来、知財遵守しながら、ローカルが300ドル程度の低価格で品質・安全・環境を満たすバイクを作れるかはまだわからないのではないか]
(6)政策の平等な適用
○知財侵害は深刻になってきており、これに対する具体的政策を打ち出すとともに、平等・効果的に実施していくべきである。
○政策が施行されても守らない企業があり、粗悪品を低価格で売っている。政策は平等に適用してほしい。
○2007年からEURO2ということだが、新モデルを製造するメーカーが不利にならないように、クリーンな新型モデルに対して何らかのインセンティブがあるべき。
(7)その他
○二輪車はベトナム人の生活にたしかに役立っているが、同時にいまの交通混乱はあまりにもひどく、文明社会から程遠い。将来の明確なビジョンを打ち立てるべきである。公共交通・近代インフラ・各車両の文明的使用などが重要。
○政府はFDIを阻害しているすべての問題点・障壁をレビューすべきである。[日越共同イニシャティブ等でかなり行われてはいる。重要だが本M/Pの範囲外であろう]
○このマスタープランは多くのイシューを取り上げているが、最終ドラフトはベトナム政府にそのまま受けいれられるものだろうか。[受容確率は半分くらいかもしれないが、とにかくやってみたい、一度でだめでも政策改善のため何度でも働きかけていくつもりである] 以上 |